当該機の電源部のように,正電圧の定電
圧回路により負電圧を得る場合は,いくつ
かの問題点があります。
そのひとつは、トランジスタ(Q101)が正確
に動作しても、変圧器(T1)側から侵入する
比較的高周波のノイズ成分は,分布容量C
sを通じてバイパスされ,トランジスタ(Q10
1)が完全にOFFであってさえノイズ電流In
により出力側に出てしまうことです。
この現象は,変圧器や平滑コンデンサ,パ
ワートランジスタ,レギュレータ(IC101)と
いう,いずれも分布容量が大きなパーツば
かりが関係するため,比較的低い周波数か
ら認められ,本機のような高周波のスイッチ
ングレギュレータを採用した場合は,それ
が顕著になります。
計算でこの効果を推定するには,分布容量
Cs,ノイズ電圧Vnを仮定すると,出力に現
れるノイズ電圧Vnoは,出力側に現れるリ
プルやノイズは,定電圧回路の性能ではな
くて,コンデンサのみで食い止めなくてはな
らないことになります。
以上の結果,かなり高周波の短絡電流(ノ
イズ電流In)が流れ,電解コンデンサの寿
命を著しく縮めた(後述)ものと考えます。
特に,リアクタンスが非常に小さい大容量コ
ンデンサ(C105)がその影響をもろに受け
たと考えます。
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【図1】 正電圧レギュレータ
【図2】 負電圧レギュレータ
【図3】 当該機MF-201の負電圧
レギュレータ部の基本回路
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