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私が小学5年生の時、中央区から北区に引っ越しました。当然、通ってい
た小学校からも北区の小学校に転校したのでありますが、周囲の生徒か
らは「よそ者」扱いされて、あまり良い環境ではなかったという思い出があり
ます。
それはともかく新築の家というのは、なかなか気持ちがよいものですね。何
と言っても新しい畳の匂いが格別です。ところが家の周囲一帯は牛の餌に
なるレントコーン畑で牛舎が多く、そのためかハエが群になって飛んでおり
ました。現在問題になっている肉骨粉もない時代で、当然、狂牛病問題も
ありませんでした。
当時の殺虫剤と言えばDDTくらいしかなく、ハエ取りリボンも数日で取り替
えなければならないほどハエが多かったという記憶があります。
そこで私は、吹き矢でハエを落として遊ぶことを思いつきました。日曜日の
ある日吹き矢で遊んでいた時、廊下の窓に青虫がいるのを発見しました。
よく見ると青虫の体内からウジ虫が数匹、ニョロニョロと出ているではあり
ませんか。
私はウワーッとビックリ仰天し、吹き矢を間違って吸ってしまいました。吹き
矢の先にはマッチ針が2本付いており、そのまま口から胃の中に飲み込ん
でしまいました。
しばらくして母親が買い物から帰ってきたので、この事を話したら母親もビ
ックリし、急いでタクシーを呼んで病院に連れていってくれました。
私は、マッチ針を2本も飲んだらもうダメかと思いましたが、レントゲン撮影
後の医師の説明では、食道を通過したら問題なく便と一緒に排出されると
いうことでした。
結局、何の処置もされずに自宅に帰りましたが、以後、吹き矢で遊ぶこと
は止めました。
【おわり】
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