私の兄貴的存在であった身障者のパソコンのメンテナンスや使い方のお世話を、7、8
年位前から行ってきましたが、あることを切欠として、それをやめることにしました。そも
そも某事務部が、もっと責任を持ってこの身障者に当たらなければならないのに、ほっ
たらかしにしているように思えました。彼が視覚傷害になった当初は周りの職員が支援
に当たっていたようですが、あまりにも手が掛かったせいかどうか、いつのまにか放置
状態になっているように見えました。
しかし、私のような他部署の技術職員が身障者の支援をして良いものか疑問に感じて
いましたが、放っても置けないので、出来る限りのことはしたつもりです。
その身障者は大学を法学部と経済学部の二学部出て、更に国家公務員採用試験T種
に合格しており、交通事故にさえ遭わなければ、部長クラスまで昇進できる実力があっ
たのです。

さて、身障者のお世話をやめる事にしたその理由は、悲しいことに私の好意が当たり前
になってしまったということです。例えば、身障者の自宅や職場のパソコンに音声装置を
備え付けたり、ADSLのセッティング等は私の好意でしていたのですが、いつの間に
か、それが当たり前になり、しまいには身障者からの要求や命令になってしまったので
す。
私はもう我慢できなくなり、身障者の奥さんに、この仕事(支援)から手を引きたいと言っ
たら、その翌々日、今までのお礼として、ビールを1ダースほど送ってきました。ところが
熨斗紙を見てビックリしました。それは何と「弔慰用」の熨斗紙に「志」と書いてあったの
です。彼が健常者だった頃は、本当にいい人だったんですが。
おわり
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