「装置構成の方程式」
コンポの構成の方程式です。かなりおおざっぱですが、大体のところはつかめるはずで
す。その方程式とは、
L×M×P=X(KgW)
Lは「リスニングルーム系数」、Mは「マニア系数」、Pは「プログラム系数」。
Xは装置のスピーカーシステム1本あたりの重量(Kg)と、アンプの片チャンネルの定格
出力(W)をかけ合わせたものです。つまり、エネルギー系数とでもいったらいいでしょ
う。
「L:リスニングルーム系数」
部屋と装置の相性の判定は非常にむずかしく、部屋の音響特性は1軒1軒、1部屋1部
屋ちがうと考えてよいでしょう。同じ六畳間でも家具の置き方、カーペットやカーテンの状
態で変わります。更にクーラーのあるなしや、窓の外が交通量の多い道路や鉄道か、あ
るいは静かな公園かでもちがいます。そこで、様々な条件を考慮して、リスニングルー
ムの条件を数字で表したものがリスニングルーム系数というわけです。
まず、部屋の内容積を立方メートルで概算します。六畳は約20平米です。次に外部の
騒音を考えます。静かなら0.7、普通で1、うるさい場合は1.4を掛けます。
さらに冷暖房の効きを考えます。効きが良い場合は0.7、普通で1、効きが悪い場合では
1.4を掛けます。以上、全てを掛け合わせたものをリスニングルーム系数とします。
たとえば六畳間で、静かで、冷暖房の効きもよい場合のリスニングルーム系数は
20×0.7×0.7≒10 になります。
「M:マニア係数」
ファンなら1、マニアなら5、マッドなら10としますが、どちらに近いかで中間値を取っても
構いません。
「P:プログラム係数」
プログラムの好みによっても装置が変わります。ここでは、音質や音色ではなく、馬力だ
けで係数を決めます。
ポピュラーなどに重点を置く場合は5、音楽一般なら10、大編成のシンフォニーに重点を
置くなら20とします。適当に中間点を取ってもかまいません。
従って、マッドになるには、M=10であればよいので、
「装置構成の方程式」のL×M×P=X(KgW)より
L×10×P=X(KgW)
LおよびPは動かしにくいので、問題はX(Kg×W)の値により、マッドになる条
件が整います。
従って、L=10(普通の六畳間)、P=20(大編成のシンフォニー)の場合、
X(KgW)=10×10×20=2000(KgW)
あるいは、L=10(普通の六畳間)、P=10(音楽一般)の場合、
X(KgW)=10×10×10=1000(KgW)
ということで、片チャンネルの重量10Kg程度のスピーカーと、定格出力200W/100W以上
のパワーアンプがあれば十分ということになりますので、だれでもマッドになれる条件が
整っているものと思います。
おわり
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