音声の左右反転と映像の左右反転・・・これは何かお分かりでしょうか。
音声では右(R)と左(L)が逆になったり、映像ではフイルムを裏返ししたように右と左が
逆になったソフトがあったのです。現代劇でしたら写し出された店の看板やネオンをみ
れば左右逆だとすぐ分かるのですが、古代劇にはそんな看板やネオンは登場しないの
で判断するのは至難です。
音声の場合は、リバースモード付きのアンプを使用すれば、その場で修正して聴くこと
が出来ますが、最近のアンプにはリバースモードがあるのは少なくなりました。
ピンジャックを左右入れ替えれば良いのですが。ディジタル結合ではそれも不可能で
す。
映像の場合もそう簡単にはいきませんね。私はカラーコレクターを持っているので、ネガ
/ポジの反転は可能ですが、左右の反転はできません。
先ほど、もう一度、LD「ソロモンとシバの女王」の反転箇所を点検してみると、なんと映
画全体の半分以上が左右反転しておりました。
まだまだ、他に反転箇所があるかも知れませんが、前回のリリースの際にパイオニアL
DCに良品との交換などについて問い合わせたところ、この映画の制作者であるワーナ
ーから私に連絡があり「エディットマスターテープ自体がテレシネの失敗で反転されたも
のであったため、そのままマスタリングされてしまった。今後、再リリースされることがあ
れば良品と交換します。」という回答でした。
しかし、映画製作者が左右反転したままテレシネを行うとは考えられないのです。
登場人物が皆、左利きだと思ったら、いつの間にか右利きになったり、刀を右にさした
り、左にさしたり等、忙しいことです。
合戦の場面では、左右が反転しているため、エジプトの方向からイスラエル軍が行進し
てくるような感じです。またその逆に、エジプト連合軍がエジプト方向に攻めていくように
見えますから映画全体が不自然な物となっています。
ワーナーもワーナーなら、内容の確認もしないで販売したパイオニアLDCも不注意すぎ
ると思います。テレビで何度も再放送をしているので、一度でも「ソロモンとシバの女王」
を観ていれば、左右反転していることが分かると思うのですが。
私は、パイオニアのスタジオに行ったことがあるのですが、実際にマスタリング作業を行
っているエンジニアは若い人が多いですからね。おそらく名作「ソロモンとシバの女王」
など観たこともないのでしょう。
おわり
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