今回の制御系CAIには「温度制御系」パッドを追加しました。制御対象を変えても従来
の「液面制御系」と同様な応答が得られることが分かります。
「使用法」
1.パラメータの設定
PID補償器(基本として登録してある)の場合、「補償器」アイコンと「パラメータ設定」ア
イコンをクリックし、ジーグラ.ニコルスの限界感度法にてパラメータを設定します。
◎ジーグラ.ニコルスの限界感度法
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PID補償器をP動作とし(Ti=∞,Td=0),持続振動が始まるまでKpを(本制御系
CAIシステムの場合は「1刻み」)で増加させ、持続振動の時(安定限界)のゲイン
(Kc)と周期(Pc)を求めます。
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まず、負荷を最大の「1」に設定します(つまり「無駄時間+1次遅れ要素」に近似しま
す)。次に「補償器」パッドを開き「Ti」および「Td」にゼロを入力します。
CAIパッド下部に貼り付けてある「パラメータ設定」パッドアイコンをクリックして開きま
す。
「Kc」の値を「1刻み」で増加させてゆき、そのつど「開始/停止」ボタンをクリックしてパ
ラメータ設定のための応答を調べます。
持続振動の状態になったときの、PID動作のパラメータは「Kp」「Ti」「Td」の各値、PI動
作は「Kp」「Ti」の各値およびP動作は「Kp」の値が各動作におけるパラメータになりま
す。このように本制御系CAIシステムでは、パラメータ設定パッドにて自動的に決定さ
れます。決定された、PID、 PI、P動作の各パラメータを、各動作に対応した補償器パッ
ドのパラメータ入力スロット(KP,Ti,Td)に設定します。
◎なお、本制御系CAIでは初期値として、サンプリング間隔1秒における適当なパラメ
ータを設定してありますのでCAIシステム左下の「開始/停止」ボタンをクリックしますと
サンプリング周期「1秒」の場合のシミュレーションを即座に実行できます。
2.シミュレーション
制御系CAIシステム下部の「プロセス系シミュレーション」の「液面」制御パッドアイコンまたは
「温度」制御パッドアイコンをダブルクリックすると、液面制御あるいは温度制御のシミ
ュレーションを行うことができます。この場合、目標値は「0」から「1」の範囲で設定してく
ださい。
再度「開始/停止」ボタンをクリックするとサンプリング周期が「0」になり、各制御系の
シミュレーションは停止します。なお、オーバーシュートする場合は「Kp」の値を0.1刻み
で小さくするなどして微調整してください。
「リミッタ」ボタンをクリックし「黄色」の状態にしますと、マイナス(-)の操作量が出力され
ないので実際に近い状態でシュミレーションを行うことができます。
3.各部信号値表示
制御系CAIシステム右下の「各部信号値表示」アイコンをクリックしますと、各要素の信
号をグラフで確かめることができます。目標値を変える場合は、数値パッドに直接、値
を入力するかスライダの適当な位置をクリックします。
4.制御対象パッド
「制御対象」パッドでは、無駄時間、感度を自由に可変できますので、適当に変えてシミ
ュレーションを行うことができます。その場合、「パラメータ」設定パッドにて再度、最適
なパラメータを決定しなければなりません。またプログラムを変えることにより、高次遅
れ要素など様々な要素のシミュレーションも可能です。
5.補償器
補償器は、PID補償器に限らず、プログラムを変更すると、他の補償器としてのシミュ
レーションを行うことができます。
(補足)「温度制御のシミュレーション」
本システムでは「目標値*100」が制御量となるようにしてあります。負荷に設け
てあるスライダーの値を変化させますと、制御対象の伝達関数が変わり応答も変
化します。再度「開始/停止」ボタンをクリックしますとサンプリング周期が「0」に
なり温度制御系のフィードバック自動制御のシミュレーションは停止します。
「手動制御」
目標値を「0」から「1」の範囲で設定し、本制御系CAIシステム左上の「自動/手動切替」
パッドアイコンをダブルクリックしますと「自動/手動」パッドが開きます。スイッチパッド
をクリックし自動(黄色)から手動(ピンク色)に切り替えます。
次に「開始/停止」ボタンをクリックしますと手動制御を行うことができます。操作量は、
手動操作量の横スライダをクリックするか、数値パッドに直接値を設定します。「目標
値=制御量」になれば完璧です。「外乱」あるいは「負荷」を適当に変化させながら手動
制御のシミュレーションを行ってください。
「格納場所」
まず、本システム「CAIWIN22.LZH」をLHAで解凍してください。
制御系CAIシステム(CAIWIN22.PAD)の格納場所は、
>IPAD\USR\SAVEPADS\
です。
「Ver.1.1からの改善点」
1.アイコンをカスタマイズしました。したがって、各部の「ブロック」や「信号値名」をダブ
ルクリックしますと目的のパッドが開きます。
2.「開始/停止」ボタンを新設しましたので、シミュレーションを行う際の操作がたいへ
ん便利になったと思います。同時に停止した場合は全ての値を初期化(クリア)するよう
にしました。ただし目標値および外乱および負荷はクリアしません。
補償器や制御対象などに初期値を入力したい場合は、それぞれのパッドのスロットか
ら入力してください。
3.プロセス系パッドは、よりリアルにしました。
「Ver.1.2からの改善点」
「自動制御系CAIシステム Ver.1.2」のアイコンを改良するとともに、アイコン用BMPファ
イルの使用をやめて、本CAIシステムがどこのディレクトリにあっても正常な動作を可
能にしました。各部の「ブロック」や「信号値名」に貼り付けてあるボタン型のアイコンを
ダブルクリックしますと目的のパッドが開きます。
「Ver.1.21からの改善点」
1.「温度制御系」パッドを設けました。
2.操作量の出力にマイナスが出力されないようリミッタを設け、切り替え可能としまし
た。
3.負荷を加えれるようにしました。これにより負荷の変動に対する応答を調べること
ができます。
4.制御対象の伝達関数は、負荷が「1」の時は「1次遅れと無駄時間」要素に、負荷が
「0」の時は「積分と無駄時間」要素に近似しております。
5.IntelligentPad Ver.1.0とIntelligentPad Ver.2.0どちらでも問題なく動作するように改良
しました。
「注意」
使用フォントは、MS明朝の他に標準明朝およびTimes New Romanをインストールして
ください。
自動制御系CAIVer.2.2(1024*768解像度用)
ダウンロード
元・北海道大学 文部科学技官 石川 栄一
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